五月雨をあつめて轟々たる四王司の滝


 「少しのことにも先達はあらまほしきことなり。」(徒然草五十二段 仁和寺にある法師より)を実感する3時間の山歩きでした。
 山友マツさんからの情報で、ずっと行ってみたかった四王司山の滝巡り。
 前日の豪雨のあとの雨上がりの空をながめ、梅雨の長雨のちょっとの隙間に、今だ!!とばかり、でかけてきました。
 雨の状態を見極めながら、決行するかどうか判断に迷っていました。結局、出発時間を遅らせたため、午後から予定があるというてらミンは参加せず、Y隊長とまさこの2人での出発となりました。
 四王司山はすみずみまで熟知している隊長と一緒なのが何より心強い。隊長は、次回まさこが一人でここにてらミンを連れてくることを想定して、分岐点ごとに道案内を丁寧にしてくれました。「少々間違えてもまたどこかで合流できるし、遭難するほどの道迷いはしない山だから、大丈夫よ〜。」と、隊長が言います。ホッとする一方で、隊長の「大丈夫よ〜!」に何度も騙されてきたことを思い出すまさこです。大きな岩の絶壁に連れてこられ、「ここのどこが大丈夫なんですかー!!😰💦」と叫びたくなったことなど、これまでも何度もありましたから。
 だけど、不思議に信じてしまうのが隊長の「大丈夫よ〜。」という軽い言葉😅。人柄でしょうか?
 この日は、雨上がりで空気はひんやりして、吹き出す汗も、山の中をわたる風で冷たく感じるくらいでした。
 長府の石鎚神社⛩脇から、まず隊長のいう「幻の滝」を目指しました。この滝は、案内が出ていません。みんな気づかないんのだそうです。だから「幻の滝」。
 滝を巡るのがメインの山歩きでしたが、豪雨のあととあって、登山道自体がまさに滝😱。滑らないよう用心しながら、ゆっくり歩みを進めました。
 「幻の滝」近くまで来ると、鎖のある滑る岩場が現れました。突然隊長がまさこに向かって「はい。ストックははずして。三点確保はわかりますね?」「私が先に降りますから、よく見ていてね。」「あ、鎖は私が降り切るまで、触らないでくださいよ。」といくつもの注意事項を言い渡してきます。
 😱やっぱり大丈夫じゃなーーい💦
 しかし、ここまで来て、滝を見ないわけにもいかず、たかが2メートル、されど恐怖の2メートル。鎖を頼りに岩場を緊張しながら降りました。
 滝の水量はかなり増していて、ゴウゴウと音を立てて、大迫力。感動ものでした😳
 この時点で、ああ、思い切ってきてよかった!!と思っていました。隊長も「こんなに水量の多いのは私も初めて見ましたよ〜。もう二度と見られないでしょうね〜!」と言っていました。
 そのあとは、いくつか鉄塔の下をくぐり抜け、山頂の四王司神社をお詣りして、下山。ほとんど休憩もせず、おやつも食べず、歩きとおしました。
 下山途中、奥の院の滝も眺めましたが、こちらの滝は案内も出ています。やはり、いつもよりずっと水量が増して迫力がありました。
 予定していた滝を見て、それこそ滝のように山水が流れる登山道を靴を濡らしながら歩き通した3時間。あっという間でした。
 こんな日に山歩きなんて、大丈夫かなぁと不安もありましたが、こんな日に来たからこそ出会うことのできた「絶景」だったのだと思えてきました。
 誰が言ったんだったっけ?やらずに後悔するより、やって後悔する方がまし!って。

 梅雨の長雨や線状降水帯が九州、中国地方にもたらしている大災害を思うと、単純に感動するだけではいられませんが、自然が悪いわけではない。
 我々ちっぽけな人間が、緊張感をもってようようたどり着き、そこで出会い、心奪われる絶景は、こんなにも偉大で感動的なのだから。
 自然への「畏敬の念」とは、この感動とともに、我々が日々の中で忘れてしまっている自然の力への畏怖を再確認することでもあるのだ、と思えてきます。
 この圧倒的な大自然を前にして、私たちはなんてちっぽけなんだ!!という、自覚。

 何にしても、今日もありがとうございました。Y隊長!!

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