あきらめた先の楽しき時間


 凍った御池に行ってみたい!
 それは、まさこの夢の一つでした。もちろん一人では行けません。
 「憧れてるけど、私でも行けるかなぁ」と話していたら、Whiteさんが「連れてってあげますよ!」と力強く言ってくれました。
 1月。「下見に行ってきました!」と届いた写真は、見事な樹氷とまるごと凍った御池にアイゼンをつけて立つWhite夫婦とMr.サイクルマンたち夫婦。
 ほっほーー!!すごい😍行ってみたい‼️
 気持ちは高まります。
 Whiteさんたちとスケジュールを合わせ、まだ御池が凍っていることを考えて、2月のうちに!とこの日を計画し、それはそれは楽しみにしてきました。
 この計画をまさこから聞いていたY隊長。
 「私はもうほとんど使わないから、あげますよ!」とアイゼンをくださいました😳てらミンの分も合わせて3つも‼️Whiteさんがネット注文してくれたチェーンスパイクもあります。少々の雪や凍った場所も大丈夫。
 そうやって、少しずつ不安を消し、期待を膨らませ、凍る御池に立つ自分の姿を思い描いては、温めてきた夢でした。
 毎日のようにネットの天気予報を開いては、気温の変化と天気を確認していましたが、下見の日以来、あの寒さはどこへ?と思うほど気温の高い日が続いていました。2月に入る頃から計画の日は雨予報に変わっていて、ちょっと胸騒ぎ😰
 御池の氷は解けてないかしら💦
 さらには、一緒に行くことにしていたてらミンが、どうしても譲れない親族のお祝いごとでやむなくキャンセル💦
 それでも、やっぱり行きたい!!
 そうして迎えた14日。
 天気の不安は拭えないままでしたが、出発しました。
 豊北町からやってくるWhiteさんたちにわかりやすい待ち合わせ場所ということで、てらミンちの近くのスーパーハローデイの駐車場を決めていました。まさこのコペンをてらミンちに置いて、見送ってくれるというてらミンに、ワインやツマミも入れた大きくて重たい方のバッグを持ってもらい、「こりゃー、まるで修学旅行に行く子どもと見送りするお母さんじゃね!」と大笑いしながらハローデイを目指しました。
 さあ、いよいよ出発です。
 Whiteさんの車に乗り込むと目指すは久住。順調に走って、大分に入り、玖珠にある道の駅「童話のさと」に到着。初めて立ち寄る道の駅でしたが、Whiteさんたちは、もう慣れた様子で、「焼きたてパンの店が入っているのよ!アップルパイが美味しいの!」とやっちゃん。あれこれ見繕って、食料買い出しを済ませ、準備完了。
 御池は明日。
 今日はお昼ご飯を先に食べ、午後猟師山に登って早めに宿に入るという計画でした。
 ここでWhiteさん「予定変更して、まず猟師山に向かいましょう。猟師山からゴウトウ山の縦走は景色がいいんです!」ゴウトウ???強盗をイメージしてしまいましたが、合頭山でした😆
 この予定変更が、後になって大正解だったと知ることになります。
 猟師山登山口到着。雨予報で、覚悟していたので、登山靴に履き替えたあと、今日はカッパも着ておきましょう!と、雨対策をして歩き始めてしばらく進むころ😳なんと!!空が明るい。雲が切れ、青空が広がってきたのです。
 猟師山は初めての山でしたが、最高に楽しい山だと知りました。
 すでに1,300mぐらいまで車で登ったところにある牧の戸峠の登山口から登るのですから、Whiteさん曰く「明日のための足慣らし」です。
 最初のうちは少し息の切れる登りがありますが、ほとんどがなだらかで見晴らしのいい縦走路です。地面も土がふかふかで柔らかく歩きやすい。しばらく登って振り返ると、三股山、右奥に久住山。久住連山がくっきり❣️景色も最高です。猟師山の頂に近づくと九重スキー場の真っ白なゲレンデを見下ろす場所に出てきます。そんなに登ってないのに、スキー場を上から眺める場所にやってきてるという不思議な感覚。
 「これなら、はやとさんとでも登れる!」と思える、なだらかで、眺望が最高の山でした。
 猟師山から、合頭山へと縦走しましたが、明日に備えての足慣らしというにはもったいないくらいのステキな山で、まさこ、もう大満足。
 それにしてもWhiteさんとやっちゃんはすてきな夫婦です。
 山頂でコーヒー☕️タイムっていうとき、やっちゃんがWhiteさんに、きれいな包み紙のチョコレートを渡しています。???😅
 やっと気がつきました。「今日はバレンタインデーだったんだわ〜」
 ウイスキーボンボンのチョコをまさこもおすそ分けしてもらって、あったかいコーヒーと一緒にいただきました😋
 これを幸せ💗と呼ぶ!
 足慣らしの山を下りてからは、White夫婦おすすめのカフェ「ボイ・ボイ」へ。その頃には、空はすっかり雲に覆われて、さっきの青空が嘘のよう。スケジュール変更は、大正解でした!
 ボイ・ボイでは、ピザにオムライス、まさこはドリア。しっかり食べて、お腹いっぱいになりました😅
 そのあとは、水女子のルドルフさんご希望の水源巡り。いつか連れてこなくちゃと、White夫婦。道に迷いながら、これまた水源求めて、下見のドライブです。
 人の喜びのために奔走するけど、それも自分たちの楽しみにできるこの夫婦って、本当に素敵な夫婦だなぁと思い知らされた一日でした。
 この日の最後は、長者原近くのトライアルが経営する「虎の湯」。温泉に入って、美味しいビールと夕食。部屋に戻ってワイン🍷にツマミでおしゃべりして、ぐっすり眠りました。
 さあ、翌日。
 だけど「夜来風雨の声」
 そのうえ朝になっても小雨とはいえ止む気配なし。まさこの願いは届きません。それでも、わずかな可能性を期待して、登山口のある牧の戸峠の駐車場まで行って様子を見ることにしました。
 ガスに覆われた登山口に立ってその先を見ていると、若い男性が2人霧の中から現れました。
 「登って来られたんですか?」と問うまさこに、「いいえ、引き返してきたんですよー!」「西千里ヶ浜まで行ったら風が強くなって、吹き飛ばされそうになったんです。僕の帽子は何回も飛ばされました。やめた方がいいですよ!」「爆風です!!」
 彼らのおかげで、スッキリあきらめがつきました。
 今回は、行かない方がいい!そういうことなんだ!!と納得。
 潔し‼️
 自然相手の登山です。この自然の力の前に人間なんてちっぽけなもの。無理したって負けるに決まってる。そう!自分さえ夢をあきらめなければ、チャンスはきっとある。
 そう言い聞かせて、久住の水場を巡るドライブを楽しみ、阿蘇神社近くの馬肉を売る精肉店で馬刺しの塊肉をお土産に買って、無事下関に帰って来ました。

 長時間の運転、おつかれさまでしたWhiteさん。そして、山はなくても楽しい時間が過ごせるやっちゃん。
 ふたりとも本当にありがとうございました❣️
 いつかまた必ずきっと‼️