玉川上水はゆるゆると流れて


 コロナ不安の中、花粉が飛散する東京にいます。
 午後3時開演のかのこさんの劇までの時間、久しぶりにはやとさんとウォーキング。
 天気はいいけど、前日と打って変わって気温が下がり、風も冷たく感じる冬日です。帽子にマスク、ストールを首元に巻き付けて、コートに手袋の完全防備で、武蔵小金井から吉祥寺までのおよそ12キロの玉川上水ウォークをしてきました。
 小金井の武蔵野のおもかげを残す木立の公園から国木田独歩の名をいただく橋、小金井桜の古木の並木を通り過ぎて、三鷹駅まで玉川上水に沿ってひたすら歩くだけなのに、延々と続く昔ながらの土の道は東京にいることを忘れさせ、景色を眺めて写真をとって、気づけば目の前に、井の頭公園。吉祥寺はすぐそこに。
 太宰治が入水したという場所近くにある碑文には、「玉川上水は深くゆるゆると流れて、両岸の桜はもう葉桜になって・・・」と彼の作品の中の一節が。
 「深く」???目の前を流れる玉川上水は、入水自殺にはあまりに浅く、太宰はこんな小川に?と疑問を感じていました。「ああ、その頃は、深かったんだ〜」と納得。
 ゆるゆると浅い玉川上水沿いのウォーキングを終え、はやとさんとは吉祥寺駅でわかれました。
 ここからは今回の東京でのメインイベント!かのこさんの劇作家デビューの会場へ。
 吉祥寺シアターは、駅近くにありました。開場までの時間に、かつてルドルフ邸のグランドピアノでミニコンサートを開いたタカコさんもやってきて、お久しぶり!!のご挨拶。その他続々と来られるかのこさんの知り合いに紹介してもらい、開演を待ちました。
 T crossroad  短編戯曲祭 「2020の世界」
 最終日のこの日は、満席の盛況でした。
 かのこさんの「サルトリイバラ」を含め、3つの劇が、リーディングという表現手法で演じられました。何度も読んだ脚本なので、展開は分かっています。ト書きの読み手を入れて4人の登場人物で、劇は進みました。
 うーん💦役者の雰囲気が自分の抱いていたイメージと違うなぁ〜😥小説が映画化されたときに、たまに感じる違和感と似た感覚を覚えながら、ちょっとした緊張感をもって劇を見ました。
 劇を作るって、難しいことなんだなぁ〜!というのが、最初の感想。
 書き手の思いがあって作品が作られ、演出家がかたちにする作業が加わり、役者が演じる。もちろん、他にも舞台、衣装、照明、音響など、たくさんの人の力が合わさって完成するのが演劇で、一つの劇に関わる全ての人の思いがピタリ一つになることなんて、とっても難しいことなんだ!誰かの強い思いや、声が方向性を決めていくのだろうなぁと、思い至りました。
 まあ、きっと今回の上演が他人事でなく、我が事のように感じるがゆえの思いなのでしょうが、こんなに食い入るように、前のめりで劇を見たのは初めてのことでした!
 見終わって、シアターの外に出ると、俳優の柄本明が普通に人々に囲まれて立ち話をしていました。東京やなぁ〜😳
 吉祥寺から阿佐ヶ谷まで戻り、かのこさんを囲んで数人で反省会。
 まさこなんかがここにいるのが不思議なくらい文学レベルの高い方たちに混ざって、かのこさんの「サルトリイバラ」から始まって、今日観た3つの劇についてさまざまに語り合いました。きっともう二度と経験することのないであろう、貴重な時間と空間でした。
 これが文化の都・東京!!なんだなぁ〜。かなり背伸びして会話に加わっていたまさこでしたが、とっても充実した、豊かな楽しい時間でした。
 この出会いの場をくれたかのこさんに感謝!
 そして、彼女の次の作品がまた、いつか演じられることを夢見ています。

 それにしても、この日の寒さ対策は、コロナ対策でもあり、花粉対策でもあったはず。メガネだってかけてるのですから、むき出し部分はほとんどなかったのに💧
 ああ、それなのに夕方あたりから、目の痒みが半端なく😥それこそ数年ぶりにアレルギー対応の目薬を買いました。