島根の母、卒寿の祝いに故郷の津和野に向かいました。島根への県境を越えるのは何か月ぶりかしら。
山陰の小京都、津和野はのどかでした。
津和野の山懐にひっそりと立つオーベルジュで、ランチを。限られた身内だけの少しさみしいお祝いでしたが、今は仕方ありません。
本当は、親族一同で、どこか温泉宿♨️に泊まって、盛大にお祝いしてあげたかったのですが・・・。6×6のちっちゃなメッセージカードに、みんなの心を込めて、ささやかなお祝いの会を開くことができただけでも幸せなこと。
食後のデザートの前、テーブルがいったん片付いたところで、孫のハルカさんがみんなからのメッセージを読み上げました。
小さなメッセージカードに込められた一人ひとりの家族からのお祝いに、涙を流しながら聴き入った母です。
「お母ちゃんは、本当に幸せよ」と、何度も何度も繰り返して。
90年を明るくたくましく生きて来た母です。今となっては、数も少なくなってきてはいますが、これまで交流を重ねてきた、たくさんのお友だち、知り合いがいます。
母と妹の共通のお華の先生からは、お祝いの花束が届き、妹が持ってきてテーブルに飾りました。
弟と親交があり、その関係から母と友だちになっていた服飾関係の先生からは、手製の上着が弟に届けられていました。
もちろん、妹家族やまさこの娘たちからもプレゼントが届いていましたから、小さな母がたくさんのお祝いの品に囲まれてしまいました。
帰宅して、どれが誰からの品物か分からなくなって、一つひとつ品物の入っていた袋を手に持ち、お祝いの品を身につけた写真が家族のLINEに送られて来ました。
「これは、誰のプレゼントですか?」の言葉とともに😮💨
やれやれ・・・
さて、まさこは、母に何を贈ったか。
ふふふ。
登山用のストック2本でした!!それも、超軽量の折りたたみ式です。
まさこは、母がどういう人かよく分かっています。
案外ええカッコしいで、見栄っ張りなところがある人で、以前、お墓参りに出かけたとき、墓地へ向かう登りの坂道がきつそうだったので「お母ちゃん、杖を買ってあげようか?」と声をかけたことがありました。すると、「お母ちゃんは、脚は強いけぇね。杖は使わんよ!!」と言い張ります。お年寄り用の杖=ステッキは、いかにも年寄りくさくて嫌だと言うのです。「あなたは充分年寄りですけど!」と心でつぶやくまさこ。
そんな母ですが、紫陽花で有名な防府市の阿弥陀寺に出かけたとき、目の前の長い階段にため息をつき、仕方なく、まさこが差し出す登山用ストックを使って、山寺の階段を登ったことがありました。
使ってみたら「あら!これがあると楽じゃねー」です😅
本当は、足腰も昔ほど丈夫でもなく、危ういのですが、自分が年寄りに見られるのは嫌なのです。「杖なんか、年寄りくさいわーね」と言い放つ90歳😥
娘からしたら、転んだりして、骨折でもしたらと思うと、まさに転ばぬ先の杖・・もとい、健康維持のためのストックは必需品!!とばかり、お祝いの品に選んだ、ということです。
ランチのあと、みんなで久しぶりに津和野の街を歩いてみよう!ということになり、早速組み立て方を教え、ストックを使って歩くことにしました。
「ええかね!これからは、どこを歩くときもこれを使って歩きーよ」と何度も念押しするまさこ。
「はい、はい。わかりました!」と、ストックを手に取り、軽快なストックさばきで、太皷谷稲成神社の階段もスタスタと登りきりました。
「これなら、どこまででも歩けるわー」とうれしそうな母。
さらに「お母ちゃん、あと50年は生きそうな気がしてきた!」と言うので、慌てて「あなたは生きてても、私らーは、もうこの世におらんと思うよ!」と、言い聞かせましたが・・・
いやはや、大した卒寿の女性です。我が母は😆