後編の後編


 9日。4つの海を巡る旅も最終日。
 瀬戸内海の巻です。
 とは言っても、宿泊は西の京、湯田温泉。そこそこの山に囲まれた内陸の盆地です。
 早朝、ホテルの誰も来ない夜明けの露天風呂を、独り占めして楽しみました。ゆっくりして、少し遅めの朝食を、た〜っぷり食べたら、車はそのままにすぐ近くの「中原中也記念館」へ。

 ここには、何度か来ていますが、外観も展示もずいぶん変わっていて、新鮮でした。

 文学部国文科卒のまさことかのこさん。

 ここが、今回の旅で一番時間をかけて回った気がします。

 「大学入試に中原中也の詩が出てたよね!」とまさこ。

 「えー?そうだったー?」とかのこさん。

 どちらが正しいか、定かではありません。なにしろ遠い過去のこと😮‍💨

 だけど・・・、私たちは確かに文学部国文科の学生だったんだなぁと、はるか昔を思い起こさせてくれる懐かしいいい時間でした。

 「もう、山口はこれでいいかな!」というかのこさん。

 はあ〜???これだけー?

 「いやいや、五重の塔ぐらい見てってよ!」と慌てて車を走らせ、「門を入ったらすぐ見られるから」と強引に瑠璃光寺へ。

 「あら、すてきね〜」の言葉に満足。だけど、写真を撮って見学終了。

 なにしろ、暑い🥵

 「この異常気象。地球規模の気候変動のせいだねー」「なんとかしないと、未来はないねー」「でも、個人の努力で解決できる問題じゃないよねー」と、涼しい車中で熱く語り合うふたり。

 瀬戸内海を目指すドライブの前に、山口銘菓外郎をお土産に買いたいというので、豆子郎本店に立ち寄りました。

 実は、本店はまさこも初めてでしたが、店構えも、裏手のギャラリー兼休憩所も、道を挟んだ向かうに見えるお庭もお見事。さすがです!!豆子郎。

 今度、また来てみようかしらと思ったほどでした。ちょっと驚き😳

 「外郎は、御堀堂が美味しい」と言った山口の文化人福田百合子さんの言葉をなぜか頭に焼き付けていたまさこは、その話もかのこさんにしていました。興味を持ったかのこさん。「食べ比べしてみようかしら?」と、すでに御堀堂でいくつか外郎は買っていましたが、ここ豆子郎本店でも、あれとこれとそれと、それからこれ!って感じで、買いまくってました😆

 さて、瀬戸内海にはいつ着くのやら?

 はい。まさこの計画は、阿知須きらら浜に隣接するカフェ&レストランTOTOMATOで、海を眺めてランチして、ゆっくりするというもの。

 山口市から阿知須まで車を走らせました。

 途中、聖地mont-bellを横目に通り過ぎ(話に夢中で気づかなかったけど💦)、道の駅きららあじすに到着。ここがラストのお買い物スポット。あのでーっかい袋もかなり膨らんで来ています😅

 宇部空港まであと少しだし、このあとは計画してないからね!ということで、夕食用のお弁当(ウナ弁)まで買って、目的地TOTOMATOへ。

 4つめの海。瀬戸内海(周防灘)を目の前に「気持ちいいわねー!」と喜んでくれるかのこさん。その言葉に大満足のまさこ。

 店内でランチのあとは、ひろーいデッキに出て、日陰でのーんびり。最後のおしゃべりタイムを心ゆくまで楽しみました。

 やりましたーー!!

 「4つの海を巡る旅計画」コンプリーーート!!


 ところで、この日、まさこにちょっとしたサプライズがありました。山口市豆子郎本店にいるとき、一本の電話が入りました。まさこが東京時代にお世話になったある私立大学の教授ユミ先生からです。「あら!お懐かしい!!」と電話に出ると、

 「まさこさん。ユミです。覚えてる?」

 もちろんですー!!

 「今、山口市にいるの」

 ええーっ??

 「実は私も山口市にいるんです!」と興奮のまさこ。

 山口市であるシンポジウムに招かれて、朝来て、夕方の便で帰るけど、懐かしくなって電話したの!と。

 ユミ先生の帰りの便が、まさにかのこさんの帰りの便と同じJALと分かり、じゃあ空港に早めに行って、お茶でも!!ということに。

 こんなことがあるのねー😳と、もう、びっくり‼️この偶然にドキドキ💓

 かのこさんとの旅の終わりに、そんな驚きの出来事が待ってたのです。

 空港ロビーで「私はウナ弁食べてるから、あなたは先生とお話ししておいでよ」というかのこさん。

 まさこは、先生を空港展望デッキへ案内。紅く沈みゆく夕陽を眺めて、しばしの懐かしい時間を過ごしました。


 ああ、朋遠方より来たる有り。また愉しからずや。