ああ 懐かしの護国寺


 はやとさんから護国寺の画像が送られてきました。
 歩く生活に切り替えて、健診時の数値が良くなったからか、出来るだけ会議の会場への移動も歩いているようです。
 護国寺。懐かしい!!地下鉄護国寺駅周辺は、まさこが2年間暮らした街です。塩豆大福で有名な郡林堂は、必ず行列ができていて、まさこも何度か並んで買ったものです。朝、通勤時間にはもち米を蒸す匂いがほわ〜んと辺りに立ち込めていました。音羽通りには講談社、光文社など有名な出版社も立ち並んでいました。
 勤務先の事務所まで地下鉄で4駅と、通勤には最適でしたし、人通りも少ない静かな住みやすい街でしたが、一つ不満は、商店街や飲み屋街がなかったということ。
 外食がほとんどの生活でしたが、護国寺駅周辺には入る店がないなぁと、あきらめかけた頃出会ったのが、wine bar🍷「ルーチェ」でした。若いソムリエのマスターが一人で経営している小さな小さなwine bar。
 初めて入るときは、どんな店か不安ではありましたが、どうせマンションに帰っても一人でワイン🍷を飲むんだから、たまにはカウンターでソムリエにチョイスしてもらったグラスワインを1、2杯、美味しいツマミでいただくのもいいんじゃない?と、思い切ってドアを押してみました。
 大当たり❣️でした。
 まず「どんなワインが好きですか?」と尋ねられ「フルボディで、舌に残る感じのワインがいいな」と話すと、「これをおすすめします」と出されたのが、カリフォルニアのナパバレーのワインでした。
 ワインは飲むし、好きな味はあるけど、ワインに関してほとんど知識のないまさこですが、彼のすすめてくれたワインの本当に美味しかったこと!!その一杯のワインで「ルーチェ」のファンになってしまいました。
 狭い小さな店でしたから、帰り道、そっとのぞいて席に空きがあったら、ドアを開けるという感じで、ときどき飲んで帰ったものでした。
 マスターが説明しながらチョイスしてくれる、一つひとつのワイン🍷もとても美味しかったのですが、ツマミもまた絶品でした。全て手作り。中でもまさこのお気に入りだったのがパテでした。バゲットと一緒に皿に盛って出されるのですが、これがワインに合う☺️
 まさこも常連と認められる頃、マスターから名刺をいただきました。「空いてるか気になるときはこの携帯に電話してください」と言ってもらえて有頂天。
 たまに上京してくるはやとさんも連れて行きました。のちにソムリエ試験を受けるサツキももちろん一緒に!!妹のスミちゃんを連れていったこともありました。「こんな美味しいワイン飲んだの初めて!」と感激のスミちゃん(まさこの妹ですから反応は同じ😆)
 退職してからも、たまに上京するときは、下関のお土産を持って寄ったりしたものです。もちろん「てぃだ」の話もしてありました。「いつか来てね」と。
 そのワインバーのマスター。実は、てぃだでお世話になっている「しんや食堂」のしんやさんの知り合いだったという奇跡のような驚きの話もありました😳広い東京の空の下、護国寺のある街の小さなワインバー。ピンポイントのその店で、もしかしたらまさことしんやさんは同じときカウンターに座って🍷ワインを飲んでいたことがあったかも!と思うと、なにやら運命を感じたりもしていました。
 あれから数年、上京してもなかなか行けなくて、マスターどうしてるかなぁとたまに思い出したりもしていましたが・・・
 「今日は仕事で用があったので、下宿から江戸川橋〜護国寺経由で歩きました。ワインバー見つからなかったよ」とはやとさん。
 「えーー!!見つからない!とは、やめたってことかしら😥」
 「そう感じた。写真とって送ろうと、けっこう丁寧にみたつもりだけど」
 アイゴー!!  オー・マイガー!!
 コロナ禍の東京では、ワインをメインに提供するような小さな店はひとたまりもなかったのでしょうか。ルーチェのマスターは、今どうしているのかしら😰

 ところで、

 護国寺の隣りは、豊島岡墓地といって、皇族の墓地でした。まさこのマンションはその墓地を眺める場所にありました。実は住み始めてしばらくは、それと気づきませんでした。都心にあって、目の前は緑の森。都会のマンションというと、建物が密集した場所で狭く窮屈なイメージですが、まさこのマンションは、窓を開けてベランダに出るとすぐ目の前が緑の森なのでほっとしたものです。だけど、その森が墓地だったとは😅
 東京暮らし2年目の秋も深まる頃、冷たい雨の降る日に、日ごろ閉ざされている門が開かれ、黒服の男性警備員が立ち並んで物々しい空気を漂わせていました。「何事?」と思っていたらニュースで三笠宮の埋葬の儀式が行われたと報道されて「おおー!あの門の奥には皇族のお墓があったということかぁ😳」と、毎朝夕に眺めていた緑の森が墓地であったことを、初めて知りました。

 豊島岡墓地の森の向こうに沈む夕陽がまぶしく美しく、心に沁みて、泣きそうになったこともたびたび。
 もう6年も前のマンションのベランダから見た夕陽。
 これを見たら、誰でも涙があふれるでしょう?

 ああ、懐かしい護国寺の街
 wine barルーチェ 
 遠い昔に感じます。