無言館にて


 乗鞍岳雨予報による予定変更の2日目。
 レンタカーを借りることにしてホテル出発。駅近くで、まず腹ごしらえ。蕎麦を食べることにしました。曇り空。朝の空気は涼しく「あったかい蕎麦が食べたいね」とキツネ蕎麦を注文しました。「うーん。汁が辛いな」とまさこ。「出汁があまり効いてないな」とはやとさん。信州蕎麦は、そういうものなのかな。
 さて、朝飯も済んだし、予約なしに借りられるレンタカーを探して歩きましたが「お盆だから、もう予約でいっぱいです」と断られ続け、電話でやっと一軒見つけました😅
 車に乗るや「あなた、無言館に行ったことがある?」とはやとさん。
 行ってみたいなぁとは思いつつ、まだ行ったことのない場所でした。
 若くして戦没した画学生や無名の画家たちの、世に出ることのなかった絵画を集めて展示している私設美術館です。館主の窪島誠一郎は水上勉の息子。
 「無言館ってね、いいところにあるんよ。山の中にあるんやけど、公共交通機関ではなかなか行けないから、車のときに行くしかないんよ」というはやとさんに「行きたい!!」と、即決。
 松本から上田市まで、30キロちょっと。「うちから川棚ぐらいかな」そう遠くはありません。
 ということで、信州2日目は、上田市の無言館をメインのドライブにしました。
 初めて入る無言館は、山麓の森の中に静かにたたずんでいました。狭い入り口の重たい木の扉をゆっくり押して中に入ると、そこはすぐに展示室。受付もなく、声を発する人もなく、ただ展示された絵画に見入る人、人。薄暗く鎮まり返った空間は、そのまま無言館だなぁの印象で、絵に近づいて行きました。
 作者に関わって、身内の誰かが語ったエピソードが絵のそばに記録されています。妻、妹、父、母の語る作者の生きた姿は、みんなどこにでもあるあたりまえの若者の姿そのもの。作者のほとんどが20代の男性です。
 ああ、若い男性は戦地に召し取られ、いのちを落とし、残されたのは女性と年寄りだけなんだなと。「戦争」とはそういうものなんだなという思いを強くしました。
 一人ひとりのエピソードを目で追い、もう一度絵画に目を戻すことを繰り返しながら、展示室をすすんで行きました。
 一つひとつの作品が、生きてキャンバスに向かっていた作者の一瞬のいのちの輝きとして、描かれているように感じて、じんわり涙が込み上げてきます。
 自画像も幾つもありました。目が、じっと見る者を捉え見つめます。
 あなたは、ちゃんと生きてるの?と問われるているみたいです。
 あなたこそ、ちゃんと生きたかったでしょうね。
 何人もの若き画家たちと心の中で対話しながら、無言のひとときを過ごしました。
 「いいところに連れてきてくれて、ありがとう」とはやとさんに伝えて、無言館をあとにしました。
 そのあとは、ビーナスラインで霧ヶ峰を目指しました。霧ヶ峰はまさに霧の中でした🤭
 無言館を出るときに、義兄が店を出してた霧ヶ峰でソフトクリームを食べようと決めていたのですが、寒くて😰
 人里離れた観光地霧ヶ峰。高い割に小さなソフトクリームで、寒さの中ではふたりで一つがちょうどいい。
 霧を抜け、白樺湖を見下ろしながらビーナスラインを塩尻方面に下りました。義兄の住む原村には寄らず、信州の山々の眺めを楽しみながら、諏訪大社、諏訪湖と巡って松本に戻りました。
 「いいドライブだったわー!!さすが、はやとさん」と褒め言葉は忘れません☺️
 2日目の夜は、炉端焼きの店で、焼き物をたっぷりいただき、終了!!
 ちなみに、前夜探し回って見つけられなかった馬刺し専門店を見つけたのですが、たくさんの待ち人がいてあきらめました。
 馬刺しは、もう昨日食べたもんねー。

 さあ、明日こそは乗鞍岳。早くから動き出します。
 早く寝ます!!
 おやすみなさーい🥱